【被害者側】【後遺障害等級なし】【賠償額200万円】通院慰謝料を赤本基準100%とし、過失割合を有利に修正して交渉によって解決した事案

依頼主 男性

相談前

ご相談者様は、バイクにて交差点を直進しようとしたところ、右折四輪車に衝突されたという事故で、頚椎捻挫の症状(いわゆるムチウチ症状)が継続し、約7か月通院し、症状固定したとのことでした。具体的に損害賠償請求を行う段階になり、弁護士費用特約があったということで、ご相談にいらしました。

相談後

交渉の結果、治療費、通院費、休業損害に加え、通院慰謝料を赤本基準100%にて合意することができました。また、過失割合についても1:9にて合意することができました。

弁護士のコメント

(1)通院慰謝料の算定

通院慰謝料は、損保側からは社内の基準に基づいて損害額提示をされます(いわゆる任意保険基準)。
これに対して、被害者側の弁護士からは、「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(いわゆる赤本)を参照し、訴訟を行う場合の基準にて交渉することができます(いわゆる裁判基準)。
損保側からは、交渉段階では、裁判基準の80%~90%の提示を行うことが一般的によくあり、本件についても、これらの提示がありましたが、最終的に裁判基準の100%で合意することができました。

(2)過失割合

過失割合の算定においては、実務上、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(別冊判例タイムズ38号)が参考にされます。
バイク直進・四輪車右折の場合は、前記判タ38号によると、図【175】に該当し、基本過失割合は、15:85となります。
基本過失割合は、事故類型に典型的に想定される注意義務違反は織り込み済みの数値であるため、修正したうえで合意することは必ずしも容易ではありませんが、本件においては、当方に有利に過失割合を交渉できた事案といえます。
過失割合が問題となる事案においては、事故類型に沿った基本過失割合とその修正要素を事案ごとに見極め、当方に有利な事実関係を主張していくことになります。

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